サービス研究の最新動向

ここでは、サービス研究に関する重要な論文や記事、資料などを順次、紹介していきます。

[最近のサービス研究の特徴] 
従来の「サービス品質―顧客満足―ロイヤルティ」という枠組みを維持しつつ、研究対象が大きく拡張している。第一に、生成AIやAIエージェントの普及により、「AIか、人間か」という比較から、人間とAIの役割分担、引継ぎ、説明、信頼、社会的存在感などを含むサービス・システム全体の設計へ関心が移っている。第二に、価値の想像を顧客を中心にすえて捉えるだけでなく、顧客の非礼行動やカスタマーハラスメント、従業員の心身の良好な状態、仕事の有意味感など、従業員側からサービスを捉え直す研究が増えている。第三に、個別企業・顧客間の交換から、複数主体が関与するサービス・エコシステム、持続可能性、社会的価値へ分析単位が拡大している。さらにNPSなど単一指標への依存への批判と見直し、顧客関係を多面的・継続的に測定しようとする動きも目立つ。総じて、最近のサービス研究は「顧客満足の研究」から「人間・AI・従業員・組織・社会を統合したサービス・システムの研究」へと重心を移しつつある。